魚せき漁
2021年10月12日
鮎を取る方法で「魚せき漁」と言うものがある。先日、せき作りに参加してきた。聞くとやるとは大違い。結構、重労働で5人かかりで半日はかかる。まず川幅全体に渡って、大きな石を堰を作る下流までクワで引っ張る。今回は川幅30mぐらいであったが、那珂川だと50m以上になる。これが終わったら、直径30mm 長さ1mほどの鉄筋を川の水面まで打ち込む。水深30cmだと計算上70cmになるが、大ハンマーで打ち込むのは大変疲れる。鉄筋の数は、30~50本ぐらいになる。これが終わったら、今度は岸に上がって、竹を切ってくる。切った竹の枝を編んで、広がらないようにして、先ほどの鉄筋にかけてゆく。流れのある中、竹をもって鉄筋にかけるのは、これも体力がいる。写真の下が完成図。こんな感じで堰が完成。
完成してもこれで鮎を取るのではない。寒くなると鮎は10月下旬から11月初旬に向けて、産卵のため川を下る。見たことはないが、川全体が真っ黒になるぐらいに大量に集まって川を下る。鮎は障害物があると平行に泳ぐ習性がある。両岸のせきの下流で投網を持って、鮎が来たら投網を放つ。ひと網で10キロの鮎が入ることもある。去年は2日で200キロの鮎を取ったと言う。ただし鮎が来るまで、網を持って微動だにしない。網は重く、これも重労働だ。
ただしこれだけ取れれば病みつきになる。だから毎年堰をかけるのである。